製品の仕様・特性について【イナバ物置ガレージ 商品情報・知識】

俵木
お客様より物置・ガレージを購入した後「これって不具合?故障?初期不良?」とお問い合わせをいただくことがありますが、確認すると不具合・故障・初期不良でなく製品の仕様・特性の時があります。お客様が不安にならないように製品の特性を教えてください。
小川
カタログには小さい字で仕様・特性として記載してありますが、一般的に販売店がここまで説明する事は少ないと思います。当社では、できるだけ購入前の説明事項をするように心掛けております。今回は、物置・ガレージを販売している私達にとっては、当たり前に思っている仕様・特性について丁寧に説明します。
※当社はイナバ物置代理店なので、イナバ製品を前提にご説明します。

製品の仕様・特性について

小川
一般的に販売されている物置には、樹脂製や木製などがありますが、イナバ物置は鋼鉄製です。
また、ユニットハウスのようにすでに組立てられた完成された状態で運ばれてくるわけではなく、現地へ部材を搬入し組立てて完成します。
俵木
完成された状態で運ばれてくると思っているお客様も時折いらっしゃいますね。
小川
現地組立てのメリットとしては、重機が入ることができない場所にも設置することができます。例えば、住宅で前面道路側でなく住宅の裏の庭に設置する時にユニットハウスだとユニック車が入らないので設置できません。イナバ物置は、部材のため庭に搬入して組立して設置することができます。また、配送コストが安いといったものが挙げられます。

イナバ物置を製作している稲葉製作所の他、主要物置メーカーも会員となっている「日本屋外収納ユニット工業会」
でも下記のようにうたっており、上記のような内容は物置業界では広く認識されています。

鋼製物置は、鋼製であることや現地組立方式を特長としていることから、下記内容の現象が発生する場合があります。

1.直射日光による温度上昇、湿度の変化
2.寒冷地における雨樋・錠前・レール・扉廻りの凍結
3.部材と部材の隙間からの埃・粉雪の舞い込み、光もれ及び雨水の浸入
4.塗装や可動部品の劣化、接触部分の摩耗(扉、シャッター等)
5.雨音や、熱伸縮による金属製品特有の音鳴り

”鋼製物置ご購入にあたって”.日本屋外収納ユニット工業会
https://www.nihon-okugaisyunou-unit-kougyoukai.jp/note/storeroom.html

また、イナバ物置総合カタログにも「製品の特性について」として、下記のように記載があります。

・設置現場で組立てる製品の特性上、多少の隙間(光が漏れる程度)が生じます。
・製品の構造上、完全な防水ではありません。部材の隙間から水が入ることがあります。
・製品の特性・構造上、ほこりや虫、ネズミ等の小動物が入り込んだり、粉雪が吹き込む場合があります。
・運搬等により塗装面に傷がつくことがあります。軽微な傷は補修塗料による対応となります。
・雨音や熱収縮による金属製品特有の音鳴りがする場合があります。
・巻き取り式シャッターは構造上正常な使用下でも巻き取り音や接触部分に傷が生じます。(発生状況は設置環境により左右されます。)
・シャッター全閉時にシャッターとシャッターカバーの間に隙間ができますが、シャッター自重によるもので耐久性能等に問題ありません。ほこり・雨水の浸入をご心配される場合は、軽減対策としてシャッターケースの取付けをおすすめします。

参考 ご購入にあたって.イナバ物置総合カタログ

俵木
我々にとっては当たり前に感じていても、購入前のお客様にとってはわからない内容だと思います。
小川
そうですね。次の項目からは、その仕様・特性についてご説明します。

特性・仕様について実例紹介

小川
ここからは、上記で紹介したカタログに掲載されている特性・仕様について、例としてフォルタFS-2214SFを使用して詳しく説明していきます。

物置の隙間

「設置現場で組み立てる製品の特性上、多少の隙間(光が漏れる程度)が生じます。」
現地の水平に合わせたうえで、組立を行うため、完成状態にそれぞれ誤差が生じてしまいます。
その結果、隙間ができて光が漏れている状態になります。
また、構造上の隙間も空いています、扉を閉じた状態で見るとその隙間から光が入っているように見えます。


 




 

「製品の構造上、完全な防水ではありません。部材の隙間から水が入ることがあります。」
「製品の特性・構造上、ほこりや虫、ネズミ等の小動物が入り込んだり、粉雪が吹き込む場合があります。」

上記のような隙間からは基本的には自然な雨水は侵入しないよう設計されていますが、強い風の吹き込みや洗浄するため吹き付ける等すると水が侵入する恐れがあります。
また、壁パネルの組立不良が原因で水が浸入してしまう事例もあります。
説明書通りに組立してあれば問題ありませんが、慣れていない方が組立をする場合など注意してください。

俵木
今回、物置に水を吹きかけるテストを行いました。

まずは、雨天時やメンテナスを想定して静かに水をかけた状態です。

水の侵入はありません。

次に、わざと水が浸入するように水をかけた状態です。

壁の排水用穴と壁パネルそのものの隙間から水の侵入がありました。
通常使用する分には水の侵入はほぼありませんが、やはり構造上隙間が空いているので、水が浸入する可能性はあります。

小川

構造的に隙間が少なく、断熱性に優れたシリーズの商品もあります。
断熱性に優れているといった特性から、防災用品の保管にも適しています。

 

庫内の音

「雨音や熱収縮による金属製品特有の音鳴りがする場合があります」

防音性については特別配慮されているわけではなく、金属製ということもあり内部では雨音は大きく聞こえます。
また、夏場は特に外気温上昇によって金属が膨張し、パチパチといった小さく弾けるような音がすることがあるようです。

小川
ちなみに当社では実際に音鳴り現象を聞いた事がなくお客様からもご指摘を受けたこともありません。
俵木

断熱構造物置のナイソーは、受付や喫煙所など人が滞在することも想定しており、内壁に吸音・防音性能のあるロックウールボードを使用しているため、通常の物置に比べて防音性があります。

シャッターの特性

「巻き取り式シャッターは構造上正常な使用下でも巻き取り音や接触部分に傷が生じます。(発生状況は設置環境により左右されます。)」
巻き取り時に音がするのはもちろん、シャッターのスラット同士が接触します。運搬時点から始まり最初の巻取り時から軽微なキズが発生し、使用していくうえでキズが目立つようになります。
特にスラットの表面にゴミがついた状態だとよりキズが付きやすくなります。また、色によってはキズが目立ちます。

小川
最近、お客様から問い合わせが多いのがシャッターの巻き取りキズです。完成後にすぐに軽微な巻き取りキズがあると不快な気持ちになるのも理解できます。ただ、こればかりは構造上仕方ない現象なのでご理解賜りたいと思います。

「シャッター全閉時にシャッターとシャッターカバーの間に隙間ができますが、シャッター自重によるもので耐久性能等に問題ありません。ほこり・雨水の浸入をご心配される場合は、軽減対策としてシャッターケースの取付けをおすすめします。」
デザインの仕様として、イナバガレージはシャッターが庫内に収納されるようになっています。そのためシャッターについた汚れや雨水が巻取り時に庫内に侵入する恐れがあります。
オプションでシャッターケースがありますので軽減対策としてご検討ください。


俵木

雨天時にシャッターを開閉し、ケースの有無による違いを検証しました。
シャッターについた水が落ちてくるのが確認できます。


小川

上記の他に、シャッターの仕様・特性についてお客様からのお問い合わせをいただいた事例をご紹介します。

■シャッターの開閉が重たい(手動)
手動シャッターは内部のスプリングの力で上げ下げを行っており、シャッターの大きさ等に適した調整がされた状態で工場出荷時されます。
シャッター自体の個体差や使用する方の力にもよりますが、使用困難なほど重たい場合はスプリングの調整で改善できる可能性があります。
調整を行う場合は、購入したお店に依頼をしてください。
また、関連した内容で、2連棟以上のガレージの時に、同じ大きさでも左右のシャッターで重さが違う、といったお問い合わせをいただきます。
こちらもシャッター自体の個体差による部分があり、仕様・特性の一つとしてご説明しています。
また、経年劣化や長期間使用しないなどの理由で開閉が重くなることも考えられます。

■リモコンシャッターの開閉速度が一定にならない(リモコン)
「しゃくり現象」というものです。
特に2連棟以上のガレージの時に、左右の開閉速度が異なる、といったお問い合わせをいただきます。
こちらの現象についてはメーカー公式の動画をご覧ください。

■リモコンシャッター動かないことがある(リモコン)
冬期にはシャッターの凍結により動かなくなってしまうことがあります。
凍結が解除されるのを待つか、応急措置として手動に切り替えて使用してください。
また、モーター等内部部品の経年劣化も考えられます。
その場合は部品交換の必要があり、交換を行う際は購入したお店に依頼をしてください。

お客様からのお問い合わせ事例

小川
これまで説明したもの以外で、お客様から製品仕様や特性について購入後にお問い合わせいただいた事例をご紹介します。

■ボルトが取付けされていない
物置・ガレージの部材は別機種にも共通使用できる仕様となっています。そのため必要以上に取付け用の穴があいており、正式に組立された状態でもボルトが止まっていない箇所があります。

俵木
特に「壁パネルの穴は全てボルト止めしなくていいのですか?」とお問い合わせをいただきます。正式に組立された状態であればボルト止めの必要はありません。

■結露軽減材付屋根を付けたのに結露が発生する
当社では、このオプションを検討されているお客様には説明しておりますが、「結露軽減材」であり「結露防止材」ではないので完全に結露を防ぐことができません。よくあるのが積雪地域でガレージの屋根に雪がある状態で晴れて気温が上がる又は車を暖気運転すると庫内温度が上昇して外気と温度差が発生して結露してしまう現象です。

まとめ

 

小川

以上、「製品の仕様・特性について」と題して、

・製品の仕様・特性について
・特性について実例紹介
・お客様からのお問い合わせ事例

というポイントでご説明してきました。
物置・ガレージを購入する前に十分に特性を理解したうえで購入をご検討ください。

特性について気になる方はお近くのエクステリア展示場などで現物を確認してみてください。
上越エリア近郊の方はぜひ当社の展示場で物置・ガレージの実物をご覧になってください。

※カタログ内容や金額に関する記載がある場合、全て記事作成時点のものを参考としています。

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